蛇蠍の如く

数年前、京都の古本市で買い求めた文庫本。向田邦子の作品だが、知らないタイトルだったのでとりあえず購入し、ずっと積読状態。本棚で最近までいつも背表紙をこちらに向けていた。とにかく「蛇蠍って何?」今調べてみたら「ヘビとサソリ。人がおそれ嫌う物の例え」と。ふーん。それが先日TVで「向田邦子没後20年の番組」を再放送しているのをみていてドラマの台本だったのだと知る。あらためて表紙を見ると「向田邦子 原作」とある。その台本を中野玲子氏が小説化したもの、と書いてあった。
番組ではドラマのシーンが流れ、これが実際向田さんの恋愛体験に基づくはなしであるようなニュアンスをナレーションで漂わせていた。妻子持ちの津川雅彦と不倫するOLが池上季美子、母親が加藤治子であった。あとのキャストはよくわからなかったが、ちょっと本を読む気が湧いてきた。
読んでみるとかなりご本人の場合とは違うと思うが(単なる想像)でも、すこし願望のようなものが入っているのかな。そして、読んでいると登場人物全員に感情移入してしまうようなお話しなのである。私がおめでたいのか?
娘が不倫していると知る家族、、父、母、弟。夫が不倫していると知る妻。二人を応援していたのに複雑な心境に陥る居酒屋の夫婦。。などなど。

本の後書きは、父親役の小林桂樹さんだった。小林さんの文章がすごく良くてもっと読みたくなりました。不倫相手の奥さんは、加賀まりこだったのね。それは納得。急にお話しの中の奥さんに色が入ったようだ。。


http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=206&date=2009-11-14&ch=12&eid=676


蛇蠍のごとく (文春文庫)

蛇蠍のごとく (文春文庫)