ふがいない僕は空を見た

ふがいない僕は空を見た

ふがいない僕は空を見た

本屋大賞の2位ということで気になっていました。
しかもほぼ1位をしのぐ人気であったということも。
そしてどこかで聞きかじった「高校生が主婦と不倫」「その主婦は不妊症らしい」という「なんじゃそりゃその設定!」というような予備知識を元に読みはじめたら。

読まされました。ぐいぐいと。ただし中高生にはちょっと過激だろうなあ。図書室なんかにあるのかなあ。

現代社会のありとあらゆる問題を詰め込んだ、というより、すくい上げた、といって良いのでしょうか。

中でも「お産」が重要なテーマのひとつになっていて。自然分娩を希望する妊婦についての話では、そうかもしれない、とうなずくことばかりであった。
衣食住など生活にこだわりが強い人が、自然分娩を希望するのはごく自然の成り行きだとおもえるが。。
「自然分娩を希望すると言うことは自然淘汰されてしまう命の存在をも認めることだ」
と言う一文では映画「玄牝」を思い出した。。(はてなに記録してませんでした^^)そして、さらにこの本でも映画「玄牝」でも異口同音に「赤ちゃんが母親のお腹に入るときと出るとき、同じように気持ちいいものである」というような一瞬ひるむような表現が出てくる。お産と言えば「痛い」とすり込まれている気がするが。これだけはっきり別々の作品で「気持ちいい」と言われちょっと驚くと共にまたまた、本来はそうなのかもしれない、とおもった。

少し前読んだ「もうすぐ」(橋本紡)は周産期医療をテーマにさまざまな女性の生き方を描いていたし、たまたま最近読んだ「トリアングル」(俵万智)も「産む」ことがずっと底辺に流れているようだった。
たまたま手に取る本、見た映画がそうだっただけなのかな。こういうテーマが多いのでしょうか。トリアングルは文庫だから数年前の作品だけど。

なんだかさっき書いたような予備知識から入ったけど全然ちがう景色の出口から出てきたような。でもそれは錯覚でやっぱり同じ場所に立っていました、みたいな。全然まとまらない。