鳩の栖

鳩の栖

鳩の栖

父の転勤に伴って数年おきに転校をせざるを得ない子どもの処世術、という話では全然ないのだけど。
子どもの頃に一度も転校を(いわんや引っ越しをや)経験していない者にとっては転校生はオーラをまとっていたような。でも私の隣の席は決して空いてはいなかったし、気の利いた言葉かけもできなかったような。

転校に手慣れた主人公は最初の挨拶、席に着く間、、その後のざわつきや静まるまでの間によって自分が取るに足りないと判断されたことを悟る、とか。転校してくる子にとっても真剣勝負なんだなあとちょっと同情してみたり。

って全然そこが主なストーリーでもないのですが。
どれもこれもとてもとても心にしみこむおはなし達でした。
なにか泣きたくなるような気分で読んでいたら、「泣きたくなる」という言葉が出てきてドッキリ。
長野まゆみさんの他の作品も読みたくなりました。