八日目の蝉

この下に挙げた「三面記事小説」も実際に起こった事件をモチーフにしたフィクション(ただし短編集)なのだが、読んでいると辛くなり(実際の事件の当事者がこれを読んだらどう思うのだろうかとか気が散ったのか)途中で挫折してしまったが。。この「八日目の蝉」は。。これも同じように聞いた事のある事件とそっくりなのだけど、初っぱなからグイグイ引き込まれ長さも感じず読み進んでいく。(この作品はフィクションであり登場する人物や団体は実在のものとは一切関係ありません、と書いてありますが)

不倫相手の子どもを中絶した事のある独身の女性が、その相手の家に夫婦の留守をねらって赤ん坊をひと目見に行く。見るだけのつもりが、抱き上げた瞬間そのまま赤ん坊を連れ去ってしまう。そしてなんとそのままその子をしばらく育てる、というトンデモナイ話なのに。

新聞小説だったと読み終えてから知りましたが。。読売夕刊。一気に読めて良かったな(負け惜しみ??)

読んでいる間中、登場人物ほぼ全員に感情移入してしまう。誘拐犯、赤ん坊を誘拐された夫婦、その夫婦に後から生まれた子、犯人の逃亡に関わったひと。そしてこの犯人がいつまでも逮捕されずに子どもと暮らして行けるようにと願っている…




八日目の蝉

八日目の蝉